われわれは無限広告地獄に突入している/6月12日

先日行った渋谷のライブ、演奏中の動画撮影がオーケーだったのは、それがバンドの広告になるからか。その動画を人に見せたり、SNSであげたりすることはたしかに広告になる。無限広告地獄…。
いままで広告というものは、何かモノや公演などの「商品」を、人々に認知させるためにあるものだと思っていたけれど、どうやら違うらしい。当の商品である「公演」それ自体も広告として機能してしまうのだとしたら、もはや「純粋な商品」や、「公演本番」などは存在しない。全てが全ての広告になっている世界。リヴァイアサンみたいだ。万人による、万人に対する広告。
そして広告は全てを「日常」に回収する。なぜなら「本番」のない世界は非日常のない世界であり、ハレとケの区分けのない世界であるから。ライブの本番中に写真を撮り、その写真をその場で友人に送る行為は、音楽を聞きに来ている、というよりも、音楽を聞きながら日常を過ごしている。(06120202)

Posted by satoshimurakami