制作のために混乱を願うな

重たい音を軽々しく鳴らすように、根を持ちつつも身は軽くありたい。毎日新しい人に会い、酒を飲み交わしたい。毎晩違うライブハウスに行き、二度と会わないであろう一晩限りの仲間達と朝まで踊って、ラーメンでも食べて家に帰り、夕方まで寝たい。考えてもしかたないと分かっていながら、どうしても考えてしまう不安に心を削られたくない。おだやかに他人を気にせず、自分の時間を持ち、調子よくありたい。自虐の誘惑に惑わされず、人と人は違うことを芯から理解したい。現状を肯定し、しかし満足しきるわけでもない、苛烈な平穏を。まるで大音量の無音で街を包み、地表にある一切の境界線を消して白い大地を出現させる、あの雪みたいな苛烈な平穏を手に入れるために日々を過ごしていく。(06130045)

Posted by satoshimurakami