7月21日2時33分
安倍さんが銃撃されたとき、情報から身を守るために発作的にTwitterを停止してしまったけど、その後、この件がどんどん面白くなってきている。旧統一教会と自民党の関係、もっといえば公明党と創価学会の関係も含む、政治と宗教の根深い問題に関して、これまで口をつぐんでいたひとたちや長らく取材を続けてきた人たちが、水を得た魚みたいにいきいきと発信をはじめていて、僕を含めこれまであまり関心をもっていなかった人たちが刺激されて、これはなんとかしないとまずいんじゃないかという雰囲気になっている気がする。つまり盛り上がってきている。
候補者は選挙のときにポスターを貼るのがとても大変なので、統一教会が動員をかけて無償で手伝ったり、秘書を派遣したりすることで政治家との結びつきをつくるという手法があるという。また新興宗教にとっては、子供に独立した人権が与えられてしまうと家庭内で信者を増やすことができなくなるので、「こども庁」を「こども家庭庁」という名前に変えるという圧力が働いたという話もある(そもそも、子供を家庭から切り離して人権を認めようという理念から始まった「こども庁」のはずなのに)。そして当然のごとく、公明党もその名称変更に賛成していたという話も。
他にも自民党の有力な政治家の多くがいまだに家父長制的な価値観から抜けられない問題と、コロナの給付金が個人ではなくなぜか「世帯主」に支払われた話、同性婚や夫婦別姓に反対する勢力がいること、これらすべての点が今回の事件で線になり、コナンのひらめきばりの白い閃光が走っている。
ずっと名称変更を許していなかったのに、2015年に文科省大臣だった下村博文のもとで急に許可がでて、悪名としてしられていた「統一教会」から「世界平和統一家庭連合」に変わった件。そして国葬。20世紀少年の世界のようだ。
警察のなかでは、オウムの次に統一教会を潰すという空気になっていたのに、いつまでたっても何も起こらず、ジャーナリストの有田さんが、数年後にどうなってるんだと聞いたら「政治の力です」と警察関係者に言われた件もおもしろい。
国葬が終わったら例によってまた話がうやむやになりそうなので、そこまでが勝負か。政教分離が憲法に規定されているのに、なぜか、ほぼ宗教団体である公明党が与党にいるという件についてまで議論が進んでほしい。