10月12日

「山品」でもりそばを食べた。格の違うものが、さらりと出てくるような店だった。
この蕎麦屋はたしかに、グーグルの口コミ評価も高い。とても高いが、それが一体なんだというのか。この奇跡のような蕎麦と、この口コミの星の数にいったいどのような関係があるというのか。
この目の前の、ほんとうに目から涙が出るほどおいしい蕎麦。この「恩」をどうやって返せばいい?と思えるほどの蕎麦。グーグルなどが世に現れるよりもずっと昔から、ここで作ってきたのだ。水もきのこも漬物も、ここらで採れたものを使い、何十年もこの場所で打ち続けたであろう、この蕎麦を思えば、インターネットに書かれた星の数に、いったいどんな意味があるというのか。
客がたくさんいる。美味しいものはやがて広まる。自分の腕を信じて、ものごとを続けること。継続すること。ちょっとやってみてうまくいかなかった程度で、うじうじする資格などないと言われているようだった。

Posted by satoshimurakami