電気寿司
11月16日。魚べいという寿司屋に来た。
出てくる寿司のしゃりは毎回、きっちり同じ形、同じ大きさをしている。型抜きされたものらしい。つまり握る作業は、ロボットがやっているということだ。だがテーブルの片付けは、さっきから人間がやっている。
これは、人々の思う「ロボットが人間から奪う職業」のイメージとは逆のことが起きているのではないか?
真っ白な内装の、ディストピアSFみたいな店内で、壁のスピーカーが「セーフティ・タイムです。ホールの従業員は手指のアルコール消毒をしてください。それでは、今後も丁寧で清潔な作業を心がけましょう」と指示する。ホールのスタッフたちはそれに従う。システムが人間に命令している。
この光景を見ていると、先ほどから流れている「ゲンキズシ♪グループ♪」という店内の音楽が「デンキズシグループ」に聞こえる。