05090838

爆撃によって焦げ茶色の骨盤と背骨だけになってしまった人間の「遺体」をSNSでみかけて以来、自分の中の、なにか大切なものが壊れてしまったような気がする。いまパレスチナで行われていることは、シオニストたちが、その土地に先だって住んでいたアラブの民を飢餓と爆撃で追い出し、自分のものにしようとしているという、とある土地で起きている個別の話であると同時に、これまでいくつもの戦争や差別を経験しつつも、私たちはすこしずつ良い方向に向かっているはずと信じてきた、世界をなんとか束ねてきた矜持のようなものを無に帰す行為で、つまりこれは私たちが守ってきたものへの攻撃で、私はいま攻撃されている。シリア危機が起きたときはあれほど心強く、ヒューマニティの最後の砦にさえ見えたドイツ政府がパレスチナに関しては完全に二枚舌になってしまっている。こんな、誰の目にも明らかに見える殺戮行為に対しても、世界は連帯できない。アメリカではトランプを支持する福音派の人たちは、エルサレムがユダヤのものになったらイエスが復活するというカルトを信じているという話も聞いた。本来は、イエスが降臨したら統一される、という順番なのだが、教義を変えてその順序を逆にしたという。いまやどこを見渡しても、私たちに共通する、よりよい世界に向けての指針のようなものがひとつもなくなってしまった。
これまでも、私たちが何も知らずに日々の商品やサービスを享受することによって、どこかの誰かを苦しめているかもしれないという、サプライチェーンの問題に関してはずっと感じていたことだったが、いまではそれに加えて、殺されるべきではない人が殺されているという、より重たい、鉛の塊のようなものがいつも、毎日何をしていても、洗濯をしていても、友人たちとファミレスで楽しく話していても、私の魂にのしかかるようになってしまった。世界が生きるにきつすぎる。私は私を守る

Posted by satoshimurakami