2013年1月21日26時17分

あまりにもお金がない。お金がない状態が続きすぎている。

今日の晩ご飯は「米のみ レシピ」で調べてみた。すると、仲間達がたくさんいることがわかった。みんな米と調味料しかない状態で、素敵なご飯を作っていた。感動した。

「ちょっと相談してみるか」と思って、今日の昼、山谷の労働センターに行ってみた。労働センターは山谷のドヤ街の真ん中にあって、そこには朝早く行くと、たくさんの日雇い労働者達が列をなして仕事をもらいにきているところである。僕は昼間に行ったのだけれど、それでも労働センターに近づいていくうちに、路上で立ち話しているおじさんや、道ばたに座り込んでいるおじさん、道路にチューハイ缶と共に倒れているおじさんなんかがたくさんいて、覚悟はしていたけど、かなり特殊な雰囲気のところだった。

僕は事前に「労働センターの3階にいって名前等を登録すれば、"利用者カード"なるものを手に入れ、日雇い労働者の仲間入りができる」というところまで調べていたのだが、情けない事に、労働センターの中まで入る勇気がなかった。外から眺めるだけで精一杯であった。あまりにもアウェイだった。

情けないという気持ちだったが、同時に「僕にはまだここで働く資格がないような気がする」とも思った。かれらおじさんたちは、もう人生をかけて日雇い労働をしている。彼らからしたら「他に方法がない」のだ。僕は、そうでもない。山谷に来たのは、半分は好奇心だ。そんな人間が、ここで働いて言い訳がない。もちろんこれは言い訳だ。どうしようもない人間だ。

本当にどうしようもない。今朝一日が始まるのが憂鬱だった。ここ最近毎日そうだ。僕はなにがやりたいのだ。

今日は、あるプロジェクトのプランをもう一度練り直し、模型を作り、写真を撮って、ディレクターにメールを送ったらこんな時間になってしまった。といっても、起きるのが遅すぎるのだ。僕は10時か11時くらいに起きた。

起きるのが遅いと言えば、今日同居人の小山はさっき起きて来た。0時すぎくらいに起きてきたのだ。今日の朝に眠ったとかそういう理由じゃない。彼はたぶん16時間以上寝ていた。それはそれですごい。逆に「なんでいま起きてくるんだ」と思ってしまったほどだ。昼夜逆転とかそういうレベルじゃない。眠っている状態と起きている状態が逆転する感覚。いま僕は小山の夢の中にいるのかもしれない。

しかし、同居人だちの、日々の暮らし方、のんびりさには、ほとほと飽きれるというか、やれやれ、というか。僕が一緒に住んでいなければ、彼らがどんな毎日を送ろうが知ったこっちゃない。何時間寝ようが一日中パソコンで映画を観ていようが知った事か。僕は僕で生きていくのだから。

でも一緒にいると、何故か、ここに居ると腐る、と強く思う。もう毎日、というか毎分思っているかもしれない。ここにいると腐る。と。でもこんな生活ともあと2ヶ月ちょっとでおさらばだ。僕はここ空鼠を出て行くのだ。でも彼らが悪いとか、どうしようもない人間だとか言いたいわけではない。どうしようもないのは僕だけだ。みんながみんなそれぞれの人生を歩んでいるのだ。どうしようもない、と言う資格があるのは、人生の当人だけだ。

辛抱だ。いま手がけているプロジェクトが一段落したら、僕は遠くに行くのだ。西へ行くのだ。

思えばこれまでもずっと、「もうここにはされたくない」という原動力で動いてきたような気がする。僕はどこにいても、すこし期間がたつと、その場所がつまらなくなってしまう。病気だ。これまで何千回「ここにはいたくない」と思っただろう。病気だ。本当に面倒くさくてどうしようもない。

Posted by satoshimurakami