0601
昨日の約束どおり今日はハーレーのサイドカーに乗っけてもらって、ハーレー会のツーリングに連れて行ってもらった。記念写真も撮ってくれた。もうわけがわからないな。
ハーレーのエンジン音は大きいんだけど、音に余裕があってかっこいい。福島県はバイク乗りが多いらしく、ツーリング中も何回か大型バイクの集団とすれ違った。すれ違う時に軽く手を挙げて挨拶をすることがあるんだけど、基本的に向こうがしない限りこっちからはしない。でも向こうがしたらこっちも返す。何かに似てる。僕を乗っけてくれたおじちゃんは80歳だったんだけど信じられないくらい元気で、攻撃的な運転をするのですこしひやひやした。車間距離が近いのだ。信号待ちのときなんか50センチくらいまで近づくし前の車が遅い時は3メートルくらいまで近づく。でもそんなおじちゃんが口癖のように言う「まあいろんな生活があるよ」とか「人それぞれの生き方があるよ」っていうセリフが良かった。
ツーリングの最中に山奥にある美味しいそば屋さん(もう蝉が鳴いていた)にいって、そこで山菜の天ぷらを食べる時に線量大丈夫かなとか、ちょっと気にしてしまう。そういえばそのおじちゃんたちが住んでいる家のあたりは線量が高いらしい。家の庭は全部5センチくらい掘って除染して、その土は庭の下に埋めてある。業者が3年後に取りにくると言っていたけど絶対こないだろう。って言ってた。
サイドカーは地面との距離が近いので、走っているスピードの速さがよくわかる。5分もあればアスファルトで大根おろしが何十本も作れるなと思った。「速さ」が心に与える影響についてずっと考えていた。速く移動しているといくら地面に近くても、路上に咲いている花をみて「きれいだなあ」とか思うことはできない。80キロで走りながら路上に咲いているタンポポをみて「きれいだなあ」って思おうとしたけどうまくいかなかった。また、途中釣竿を持って歩道を歩いてるおじさんを追い越したんだけど、そのおじさんと僕とではスピードとか時間の感じ方の落差がとても大きいんだろうなと思う。速く移動しすぎると花や木や虫を愛でたりする事ができなくなる。あたりまえだけど。
でもそんなスピードで橋やトンネルを通り過ぎ、山から山へなるべく高度差のないように作られた道路を走り抜ける時のダイナミックな感動はまた別にある。
絵を描くことはとめてはいけないけど移動しない日があるのはあんまり問題じゃない。毎日移動してるものと思い込まれることが多いけど「いつも動いている」か「ずっと動かない」の2択じゃないはずだ。
途中寄った喫茶店で「BOSS HOSS」という乗り物を見た。6000ccくらいあるらしい。こんな乗り物がこの世にあるのだ。