0721
「楽しそうだね」って言われるたびに、自分はやらなくちゃいけないと思うことをやってるだけで、それは楽しくもなんともないって思ってた。だけど今はすこし違う感じ。僕はこの活動を「やらなくちゃいけない仕事」と思ってやってるんだけど、「それを楽しむ自分」はそれとは別にあっていいんだって思えるようになってきた。前に養老孟司さんが「やらなくちゃいけない事をやりたい事に変えていくってのが仕事には必要だ」って何かで話してる映像を見たけど、その意味がわかってきた。つまり一周まわって楽しいと感じる瞬間がある。『敷地借りないといけない』とか『どこかで充電しないといけない』とか『次の町までの距離を考えると~時までには出発しないといけない』とか『絵を描かないといけない』とか『~しないといけない』の連続なんだけど、そういうことをクリアしていくのはもしかしたら楽しいことなのかもしれない。サバイバルゲームだと思ってやるといい。
昨日は久々にネットが使えて電源もある夜だったから、夜中までyoutubeサーフィンしてた。カールハイドがめちゃ好きになった。佇まいがほんと天才みたいだ。天才っているんだなあ。
https://www.youtube.com/watch?v=JkushEk_JCA
そのせいで今朝は寝坊した。次の町まで23キロくらいあるし(つまり朝10時くらいまでには出ないとまずい)、昨日描き始めた絵もまだまだ時間がかかりそうだったから、ここにもう一泊することにした。今度はテント1つぶんのお金を払って、外の自分の家で寝る。で今日はほぼ1日中絵を描いてた。
「次の町まで23キロくらいあるから今日は無理」って面白い状況だな。江戸時代みたいだ。
夕方になると昨日までの祭りの賑わいが嘘みたいになった。全然人がいない。1時間に車が2台と人が3人通るくらい。まだ今日まで休みなのに。焼山もそうだったけどこのあたりも本当にさみしい。たくさんの大きなホテルがつぶれて廃墟になってる。若い人が流出してるとか高齢化が進んでるとか観光客が減ってるとか、そもそも人口が減ってるとかいろいろ原因はあるんだろうけど。どう考えても、これからこういう町は増えていくんだろうな。日本の未来を見てるみたいだ。前に瀬戸内海の女木島に行ったときにも思ったことだ。東京にいるとわかりにくいけど。この圧倒的な数の空き家と廃墟を見てると、いよいよヤバいとこまで来てるってのがよくわかる。「十和田湖国立公園」と書かれた集合写真用のひな壇が置いてあったので、そこで一人で写真を撮った。
絵を2枚仕上げたあと十和田湖を散歩した。もう日は沈んで暗くなりはじめている。十和田湖の水は本当に青い色をしている。今日は風がないので波もたっていない。あたりはとても静か。巨大な水の塊がすぐそこにあるのに。音が全然しないってのは不思議な気持ちになる。本当に見とれてしまうくらい奇麗だった。十和田湖は紅葉も有名だけど、そういうカラフルで賑やかな景色よりもこういう全体に青っぽい感じの方がたぶん好きだ。また来たいな。