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朝、秋田温泉を出発。ここから26キロ南にある「道の駅岩城」にとりあえず向かう。温泉があるから。 今日も暑い日だ。風もない。汗がだらだら出てくる。何リットルも飲み物を飲みながら歩いた。海沿いの国道に出ると日陰もあまりなかった。でも僕の家の内部は、外よ りもずっと涼しい。日陰になるし風が抜けてくれる。この道、歩きの旅人は大変だろうな。Tシャツが汗でぐっしょりになって、高校の部活を思い出した。

夏祭りのシーズンで、歩いてる途中に子供がたくさん乗っている山車と出会ったりした。「すいませんすいません」って感じでさっさと通り過ぎる。あんまり神輿や山車のそばは通りた くない。水を差すような気がする。昨日の事も、水を差されたと感じた人がいたって事なんだろうな。

お昼頃、国道沿いにある個人商店の前に家を置いて休憩した。店に入ると、一番最初にサンダルが陳列された棚が目に付く。そのそばの棚にはパンが並べられている。 いい感じのおばちゃんが
「はいどうも」
って出てきた。僕はパンを眺めていた。そしたらおばちゃんが近づいてきて
「これはね、おいしいですよ。」
と説明をし始めた。
「ブルーベリーとかぼちゃとメロンがあります。あんぱんみたいに、クリームがひとつに固まってるんじゃなくて、パン全体に入ってるから食べやすいです。」
という。
僕は
「ああ、そうなんですか」
と答える。僕はもう笑顔がとまらなかった。自分で焼いたパンでもなんでもない、普通にスーパーとかでも流通している包装されたパンの解説を店のおばちゃんがしてく れているのだ。すっごく良い。
「じゃあブルーベリーとかぼちゃのパンをもらいます。あとこのジュースももらいます」
といってレジに持っていくと
「このカボチャパンの袋の写真がね、全然美味しそうじゃないでしょ〜」
と笑って言う。パッケージに写真が使われてるんだけど、それが黄色いカボチャの実の写真じゃなくて緑色のゴロっとしたカボチャそのものの写真だ。たしかに美味しく なさそうだ。
「でもパンはおいしいから大丈夫です。消費税はいらないから、370円です」
とおばちゃん。良いお店だったな。

道の駅に着いたのは5時頃。なんと、茨城から僕を訪ねて人が来てくれた。休みを利用して、青森で一泊してからここまで来たらしい。嬉しい。道の駅の休憩所で、今ま であった印象的なことやいま考えていることを話した。こういうこともあるんだな。水戸ナンバーの車はその人の他にはいなかった。
駅の事務所に行って敷地を交渉したら、オッケーしてくれた。
「ここは国の管轄だから基本的に自由に使えます。あんまり長期滞在じゃなければ大丈夫です」
とのこと。併設されている温泉がとっても良かった。日本海が一望できる。しかも日没の頃に入ったので、日が沈むのをみながら少ししょっぱい温泉につかった。
21時に突然町内放送があった。「ふるさと」が流れたあとで
「今日一日のお仕事おつかれさまでした。火の元、戸締まりにお気をつけておやすみください。」
って言ってた。
いま、海の近くのウッドデッキに置かれたイスに座って日記を書いている。蒸し暑い夜だ。風もない。道の駅のそばにある風車もまわっていない。寝苦しい夜になりそ う。海の上にちょうど半分の月が出ている。波打ち際のほうからは波の音と、時々人の笑い声が聞こえる。海のずっと遠くの方に漁火がいくつか見える。

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Posted by satoshimurakami