0809
今日もずっと曇り空でたまに雨が降る。そういえば台風が近づいてるらしい。新田さんが心配してく れている。今回もかなり強い奴で、日本を縦断して日本海まで抜けてくるらしい。嫌だ。
お昼頃に新田家を出発。軽トラックで次の道の駅まで送ってもらった。走ってたら山形県に入った。 道の駅で敷地交渉してみたら、ここもNG。キャンピングカーはいいんだけど、テントなどを張るの は禁止しているらしい。「どうしよっかなー」と思って歩いてたら、路上で男の人に
「どこまで行くんだ。昼飯のアテはあるのか?」
と言われた。
「今日は何もアテがありません」
「いま祭やってるんだよ。よかったら休んでいけよ」
祭か…。数日前に祭で追い出されたのを思い出して
「邪魔になりませんか」
って聞いてみたら
「みんな酔っぱらってて、気のいい奴ばっかりだから」
と言う。すぐ近くの公民館の前の広場で焼き鳥やら焼きそばやらかき氷やらを準備している。盆踊り 用のやぐらも建っている。みんな笑ってこっちをみている。なんか大丈夫そうだ。すぐに缶チューハ イと焼きそばを手渡される。
「今日ここ泊まっていっていいからな」
とみんなに言われる。
「ただし手伝わないとだめだぞ」
という感じで、僕は焼き鳥を焼く人になった。吹浦地区の西浜部落のお祭りらしい。僕の他にもう一 人焼き鳥を焼いてる兄ちゃんがいて、いろいろ教わりながら焼き鳥を焼きまくる。その兄ちゃんは僕 の1つ年上で、土建屋らしい。
「こっちの方言わかんないでしょ?」 「わかんないっすねー。特に年寄りはさっぱりです。この祭は昔からやってるんですか?」
「やってるよ。部落でやってるだけの小さな祭だけど、自分は幼い頃からこの人たちに世話になって んですよ。雨が降らなければ、他にも出店がたくさんあって、盆踊りもやるんだけど」
向かいのテントでフライドポテトを作ってるのが、その兄ちゃんの仕事の上司らしい。いいな。
お客さんはあんまり来なかったけど、お酒を飲みながら自分たちで焼いた焼き鳥やらフランクフルト やらを食べながらとても楽しそうに過ごしてる。ていうか途中からは誰が客で誰が店番なのか、焼き 鳥1本はいくらなのかとかがもう全然わかんなくなる感じになった。1本50円て書いてあるけど「3 本で100円だよ!」とか言い出す人がいたり。1本百円て書いてあるフランクフルトを売ってる隣の おじさんは
「1本食ってけよ」
って言って前を通る人に渡したりしている。いいなあ。みんなすっごく楽しそう。僕の隣にいた兄ち ゃんなんかいつの間にか居なくなっていて、かわりに別の兄ちゃんが座って接客してた。隣にかわい い彼女さんも座ってる。
となりのおじちゃんが町会長さんに
「こいつここ泊めていいですよね」
と言ったら、町会長さんは困っていた。 「一応公民館利用は22時半までということになってるし、なあ。誰か泊めてやれる人いないのか」 という。「いいよとは言えない」って感じが全面に出ている。
出店が終わってからも、公民館の中で宴会が続く。僕は途中で離脱して何時だったか覚えてない。気持ち悪い。また飲み過ぎた。。