0812

無愛想なお姉さん達が接客しているという、近くの病院の内部にあるパン屋さんのメープルパンを食 べた。おいしい。
「いつもはこんなにたくさん買ってこれない。」
って安達家のおかあさんが言う。とっても人気があっていつも売り切れてしまうらしい。
家を安達家に預けて、今日僕は安達母の実家に泊まらせてもらうことになった。鶴岡市の大山町とい うところ。行ってみると、ここもなかなか高齢化と人口減少がやばそうな町。その家はおばあちゃん とおじいちゃんが二人で静かに暮らしてる家だった。おばあちゃんは家の窓のどこが開いていてどこ が閉まっているのかを把握しているようだ。6時過ぎに早めの晩ご飯を食べながら話をした。
「この町が鶴岡市に合併されてから高校がなくなっちゃって、さみしくなっちゃったの。やっぱり 高校がないとさびれちゃうのね。若い人がいないと。」
「若い夫婦とかが引っ越してきたりはしないんですか?」
「このあいだ、子供が4人いる夫婦が引っ越してきて事件になったの。みんなに大歓迎されて。子供 会も四人も増えたって喜んでね。鶴岡市内から、家賃が安いからって越してきたみたいだけど」

夜7時半頃僕が散歩から帰ってきたらもうおじちゃんは寝ていて、おばちゃんは一人でテレビを見た り書き物をしたりしていた。僕が隣の部屋で絵を描いてると、ときどきおばちゃんの笑い声が聞こえ てくる。もう何年も、こうして夜を過ごしているんだろうなと思った。昨日まで僕が名前も知らなか ったこの町で、もう何年もこうして夜を過ごしてきたんだろうな。

Posted by satoshimurakami