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さあ今日でお盆休みは終わりだまた絵を描き、歩き始めないといけない。ときどき歩き方を変えたり休んだりしたほうがいいな。変化をつくらないと目に留めるべきものが何か、考えるべきものが何かわからなくなる気がする。
朝、三川町の安達君の家に僕の家を取りに行った。おばちゃんとおじちゃんがいて、そうめんをいただいた。休みの間に田麦俣の多層民家をみてきたという話をしたら
「このあたりの家もすこし前までは茅葺き屋根だったんけどねえ。赤川に茅場(かやば)があってね。今はもうなくなっちまったけど」
と話してくれた。茅場という単語があることを知らなかった。おばちゃん達が若い頃は、近くの川に茅がたくさん生えていて、それを刈って屋根にしていたんだ。家の材料を近所で調達するってだけのことなんだけど、その話はすごく新鮮で魅力的だった。そしてそれはとても自然なことのように思えた。自分の家の木材はどこの山のものを使っているのかとか、考えたら全然知らないな。そういえば実家を建てた大工さんの顔も名前も覚えてない。実家が建てられるところは幼い頃にみたけど、どこからともなく木材やらなんちゃらパネルやら建具やらカーテンやらがどんどん運ばれてきて、男の人たちが何人かでカンカンやってあっという間に家が建っていた。どんなカーテンにしたいかとか、外壁の模様はどうしたいとかっていう選択肢はたくさんあった気がするけど、そのカーテンはどこで誰が作ったものなのかとかそういうことはよくわからなかった。あれは「つくる」というより「組み立てる」という感じだった。僕は何の中で暮らしてきたんだろう。

正午ごろに三川町を出発してとりあえず加茂あたりを目指す。ここから15キロくらい。グループ展に参加するために9月13日までに長野につかないといけないのだ。調べたら330キロあった。ちょっとやばいかもしれない。これに間に合うかどうかが当面のおもしろポイントになるな。今日は歩いていて、カマキリかバッタのちぎれた足をよく目にした。あとイナゴがやたらいるポイントがあって、踏まないようにがんばったけど、一匹も踏んでいないという確信はない。
4時頃加茂について、お寺で敷地交渉を始めようとしたら突然雨が降ってきた。2軒くらいあたったけど留守で、3軒目の住職さんが
「なんもかまわんでもええんだろ。場所だけで。いいですよいいですよ。」
と言って快くオーケーしてくれた。そこは入り口のところに「一人の力で生きると思うな 大きな力に支えられている」という言葉が掲げられていたので「お、ここはいけるかもな」とか思った。
銭湯は近くにないかと聞いたら、住職さんが車で湯野浜まで送ってくれた。いまその銭湯の休憩所でこの日記を書いている。そういえば今日夜はおにぎりしか食べてないな。

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Posted by satoshimurakami