0903
敷地を探していると言われて思い浮かべる場所によって、外から来た僕とその人との適切な距離があらわれる気がする。例えば公園はよく提案されるんだけど、公園ってのはその当人の敷地でも知り合いの敷地でもないけど、その土地のものっていう距離感があるし、知り合いの駐車場を提案してくれる人とか「うち来ていいですよ」とかって言ってくれる人は、まあ悪い人じゃなさそうだしっていう直感とか話して感じた印象とかもあるんだろうけど、外から来た初対面の人間でも近い距離に置くことを許せる人なんだろうなと思う。公園じゃ遠すぎるし、自分の家は近すぎるしとかいろいろあるんだろうな。そうやって敷地を借りるのが前提なんだけど
「家を持ってきちゃったんですけど」
っていうこちらのボケに対して向こうが
「家かよ(笑)」
って思って、そりゃしょうがねえなって感じのやりとりが成立する。そうするとふつうは到底借りられないような敷地にも泊まれたりする。ホテルの駐車場とか、初対面の人の庭先とか、テント生活や車上生活では泊まれない場所に、ボケで突入していく感じだ。
今日はパティオにいがたを二時半頃出発して長岡方面にすすむ。途中、セブンイレブンで休憩してたら「ドリームロード」と名付けられた国道を横断するための地下歩道があった。なにを根拠にドリームを謳っているんだろうと思った。
そんでセブンを出発しようとしたら男の人に話しかけられた。その人は「まともな仕事しないの?」とか「露店の仕事やってて、いま祭の時期だからバイトとして使ってあげてもいいけど?」とか「きみんち金持ちなの?」とか「暇なんだねー」とか、そういうえげつない言葉遣いをしまくる人なんだけど、僕が「バイトとかはやりません」とか「これが仕事なんですよ」と言ってふりきろうとしても結構食い下がってきて、言葉はアレだけど心から面白がってくれてる感じが伝わってきた。最終的に電話番号を交換して、別れた後差し入れを持ってきてくれたりした。こんな人もいるんだなあ。
夕方になって、麻生の湯という日帰り温泉施設があったのでそこで敷地の交渉をしてみた。いつもこういう温泉施設に交渉するときはお風呂に入ってからするんだけど、もう6時過ぎててここでアウトだったら即次の場所を探さないといけないので、今日はお風呂に入る前に敷地の交渉をする。マネージャーさんと話して、僕が説明をしてるとき微笑だにしなかったので「ここは厳しいかなあ」と思ってたけど返事は
「いいですよ。ただ警察の巡回とかもあるんで、そちらで対応してください。」
だった。お礼を言ってお風呂に入った。茶色く濁ってて温度もちょうど良い。とてもいい湯。
温泉からコンビニに行った帰り道。長岡の中心市街地の明かりが、広大な田んぼのずっと向こうに見える。このへんはちょっとした山あいにある集落で、麻生田町というらしい。真っ暗な道で小学校の体育館だけオレンジ色の明かりがついてて、中で青いウェアを来た人たちが何人か動き回ってるのが見える。なんとなく安心した。