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展示中に知り合った作家のパフォーマンスがあるというので出かけてみたけど、あまりにもつまらないので見てる途中で帰ってきた。昨日銀河が東京から来てくれた。銀河も ここ1年でいろいろあったようだけど今は実家に住んでいてバンドのフランスツアーのための資金をバイトで貯めているらしい。なんかスピード感が足りないんですよねって言 われたので、実家は出て行った方がいいそんなところにいたら腐ると言った。というか、今の僕にもスピード感というか切迫感が足りてなくて、こんなんでいいのかと思う。 今すぐに展示を撤収して出て行きたいという気持ちと戦いながらここに留まっている。これじゃあ全然だめだお遊びだ。僕の展示をみて
「『あの家で生活してる』っていう、そういう体裁で絵と家を展示してるのかと思いました。」
と言う人がいた。はあ。そういう体裁ってなんだ。なめるなと思ったけど
「ああ。そういうテイって思っちゃうんですねえ」
みたいにしか言えなかった。とにかくここにいたら腐るというか飲酒量が増えてどうしようもない。毎日安心なので、日記を書こうという気持ちにならない。危ない。
まつしろの象山というところに地下壕がある。第二次世界大戦の末期、日本政府が極秘で政府機能やら天皇の家やらをそこに移そうとして酷い条件で人を働かせて穴を掘らせ ていたけど、完成する前に終戦になって結局掘るだけ掘って穴だけのこったみたいな、延べ10キロの地下壕が一部公開されてる。労働環境が悪くて労働者が何人も崩落やダ イナマイトに巻き込まれたり、栄養失調になったりで亡くなったりしていたらしい。結局何にも使われずに穴だけ残ったんだけど、それがいま観光スポットとして公開されて いて中に入れるようになっていて、彼らが掘った穴を人が通ってるってのは良いことだと思う。なんとなく僕の展示場所の山寺常山邸とも被る。観光地だから管理するのに人 を常駐させなくちゃいけないという名目で地元の人が当番制でボランティアをしてる。人がそこに居て、集まって何か話したりにするっていうことのために色々と理由をつけ てる気さえする。地下壕を銀河と一緒に歩いたあとは
「戦争は嫌ですよねえ」
「戦争は嫌だね。戦争だけは嫌だね」
なんて会話をした。

Posted by satoshimurakami