2012年3月8日(木)無題

コニカミノルタの「エコ&アートアワード」という公募展に出品して、まわりの作品見て思ったんだけど、みんな、今のこの毎日が、この先もずっと続いて、来年も、再来年も、コンセントにプラグをさせば電気が来るし、蛇口を捻れば水道が出ると思ってる。そういう前提でものを作って、デザインとかアートと呼ばれているものは、そんな生活のアクセントで、なにかの「考えるきっかけ」になればいいと思ってる。「きっかけになるように促しました」というポーズをとって、満足してる。で、それを見る方は見る方で、表現の、うわべだけなぞって「ほほう」と思ったら、「良い」と評価する。それで「良いものみたね」と思って、家に帰って、「良いものみました」という感想を、ツイッターとか、ブログに書いたりしてる。やばいよ。。気持ち悪いよ。
僕がいま暮らしているアトリエの土地の地盤はゆるくて、近くの道路をトラックが通ると震度1~2くらいの揺れがおこるから、まるで船の上で生活してるような気持ちになる。そういう環境で生活してて、地面て簡単に揺れるものなんだな、と日頃から思ってるってこともあるかもしれないけど、この、確固たるものだと思っていた地面が、こんなにも簡単に揺れたり、それが原因で津波が起こって、原発が爆発したりする。そんな体験をしながらもまだ、この先も、今まで通りのやり方で生きていけると思っている。
大きな変化が、近い未来必ず来る。それこそ、誰もが「ここだ」と思えるような、大きな変化の時が必ず来る。だから、今の基盤が崩れても生きていけるように備えるための実験を、いまからやっておかないと、そういうことを考えているクリエイター達は、現代の基盤が崩れた時のことを考えて表現する責任があるように思う。

Posted by satoshimurakami