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お昼頃お寺を出発して、志我の里の二人から紹介してもらった北小松の人の家に向かった。
「長野県で自給自足生活のことを教わってる時に出会った人なんだけど、そこはシェアハウスになってて…」
とだけ聞いてた。

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着いてみるとそこは湖のすぐそばにある三角形の家で、いまは女性二人が暮らしてる。
「琵琶湖みたから集いの家」 っていう名前がついていて、「みくさのみたから」という術を身につける人々のコミュニティの1拠点っていう役割があるみたい。だからそこに住んでる三品さんは家主っていうより管理人っていう感じらしい。
三品さんはもともと宮城県の人で、震災後にこちらに移住してきた。一度、愛知から東京 まで1ヶ月半ほどかけて歩いて旅した事があり、その時に原発も見て回っていた。
「こんなに地震が 多い国で、原発がこんなにあったら、いつか動かなくちゃいけない日がくるだろうな」
と思い、震災が起こる2年ほど前から、家の物を少なくしていったりして移動の覚悟を決めて日々の生活を送っていた。そのとき、旅をした経験から「必要あるものと必要ないもの」を考えることができた。そした ら福島で原発事故があったので、震災から4日後には関西に行ってた。
「いつか動く日がくるかもしれない」っていう意識のもとで生活をするのは、そういう意識なしで暮らすのとは日々が全然違ってみえるだろうな。緊張感があって楽しいと思う。三品さんは
「室町時代くらいまでは、半分くらいの人は移動しながら生活してたっていうし。これからもっとそ ういう人が増えて『通りすがりの者なんですけど』って言って訪ねて来る人を『来た来た』って受け 入れる土壌が出来ていけばいいなと思ってます。」
と言ってた。震災以降、自分の家を持とうって気持ちにはならなくなったらしい。

得体の知れない液体が入った酒瓶がたくさんあって
「これなんですか?」
って聞いてみたら。
「色々な野草を入れて乳酸菌で発酵させた飲み物」
らしい。
「飲んでみますか?」
と聞かれたので一口もらった。どんな味がするのかと思ったけど、意外と美味しかった。微炭酸が効いてて良い。体に蓄えられてしまった放射能を外に出すのに良いと聞いたので作っている。らしい。

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この家の台所には洗剤はないし、お風呂には石けんやシャンプーもない。日が落ちたら最低限の明かりだけつける。とっても落ち着く。
「蛇が路上で死んでるのを見たら報告している」
っていう話をしたら、「I アイ」っていう漫画を薦められた。それを読んでたら
「暗かったら明かりつけてもいいですよ」
と言って蛍光灯をつけてくれたんだけど、最低限の明かりの中で数時間過ごしていたので、蛍光灯の 明かりは眩しくて耐えられない。すごく不自然に感じた。

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Posted by satoshimurakami