01151226
京都で絵の仕事をしていて、絵を描くとき「線を1本描く」っていう行為はとても素朴ですぐに終わる作業だし、それをやっているときは「全体のうちのこの部分を描いてる」なんて考えてない。ただ、1本の線を引くっていうことだけに集中している。でもそれを繰り返し繰り返しやっていくうちに(知らず知らずのうちに)全体像が浮かび上がっていく。そのことが、僕の移動とよく似てるなと思った。
これまで僕は家を連れて東京から青森まで行って、そっから大分まで来た。こう書くとすごく長距離の移動をしているんだけど、1回1回の移動は「長い散歩」くらいの移動しかしてないし、その移動をしているときは「今日の移動は、日本をまわっているうちの一部分」なんて考えてない。でもそれが知らず知らずのうちに膨大な移動距離を生み出し「日本をまわる」という行為が浮かび上がってくる。
似たような事を前に誰かに言われたような気がするんだけど思い出せない。