201506252144
いわき市で造園業を営んでいる志賀さんの家の客間にいる。今日の敷地はこの家の庭を借りた。造園家の家なので色んな木が生えてる。広くて綺麗な家で、トラという白くて声が低い猫がいる。元々野良猫だった。
ここには去年もお世話になった。年が僕と近い息子が二人いて、一人は東京でアニメーションの仕事をしてる。とんでもなく安い給料で働いてる。個人の建築事務所と同じか、それ以上に酷い。アニメーターにお金が降りないってのはよく聞くけど、本当だった。
ここに来るまでに、勿来の民宿から1時間くらい歩いた。僕が到着したらここのお母さんが「ここ自由につかっていいよ。用意しといたから」と言ってくれた。
「なんでこんなしんどいのを続けようと思ったの?」
と聞かれた。続けようという意志を働かせたわけじゃない。よくわからない。しんどさはある。うまく説明できない。
いま僕はこの生活のマニュアルを作ってる。この家のつくりかたと、日々の過ごし方、細かいディティールを他の人向けに説明しようとしている。このマニュアルは当然、とても長いものにならないといけない。この生活にはたくさんの登場人物が居るし、たくさんの町がでてくる。この生活は、マニュアルが完成したら一区切りできたと言えるかもしれない。その時に初めて「建築すること」について少しは何かを話せるようになるかもしれない。