0616
朝早くに雨が発泡スチロールの天井に当たる音で目が覚めた。雨が降るとパチパチうるさい音がする。たくさん降ってたので雨漏りしてないかあちこち調べてみたが、してなかった。屋根を作り変えて軒を深く出したのが思った以上に効果的だったらしい。日本建築は軒を出す事で雨から建物を守ったし、紙でできたふすまが駄目にならないのも深い軒のおかげだったんだろう。
ザ・タイマーズの歌で「企業で作業」というのがあるけど、「作業」とはなんなのか。言葉そのものをあまり真剣に考えても意味がないことは百も承知だけど、「作業」という言葉がもってる味わいがたまらなくて、この言葉とこの社会のあいだには妙な関係がありそう。絵を描いたり、日記を描いたりするのも作業と言えるし、宮崎駿がジブリで絵コンテを描くのも作業っぽい。
どうも毎日作業に追われているような気がする。
今日は周南の道の駅から15キロくらい歩いて、防府(ほうふ)という町の市街地ちかくに着いた時
に爽やかでガタイの良い兄さんに話しかけられた。この近くでゲストハウスをやっているらしい。もらったカードに室内にテントが沢山並んでる写真があった。「屋内キャンプ場」のようなゲストハウスらしい。トイレもお風呂場も洗濯機もインターネットもあって、一泊2200円というのでこれはちょうどいいやと思い、今晩泊まらせてくださいとお願いした。
「Rest Hofu junction」という今年の3月にオープンしたばかりのゲストハウスで、一回のレストランと一緒になってる。オーナーはもともと競輪選手だった。夜、近くの焼鳥屋に連れて行ってくれた。この焼き鳥やさんももと競輪選手で、オーナーの後輩らしい。そこで色々話を聞きながら飲んでたら、今度はオーナーの先輩にあたる元競輪選手が入ってきた。競輪選手になるためには専門の学校を卒業して、そのあと国家試験で合格しないといけないらしい。当時の競技人口は4000人くらいで、月に数回レースをしていた。一回のレースに数日かけるから、いつも全国を移動しながら自転車に乗っていた。4000人しかいないので、みんなだいたい顔見知りになる。今の人口は2000人程度だといっていた。で、だいたいみんなどこかしら大怪我を経験している。肋骨を折ったりあばらを折ったりしている。それで一緒に競った人たちが、引退してからもこうやってつながって昔の話をして盛り上がっているのは、聞いててとても気持ち良かった。
歩いてる途中、道路のポールにひっかけて瓦を一枚失った