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奈保子はもう寝ている。僕は今日奈保子が制作で撮影してくれた2000枚以上の写真をパソコンに取り込んでいる合間にこれを書いている。連日移動しているような感じだ。疲れがとれないまま。今はヴェニスにいる。マルゲラ地区のホテル。僕が四年前。初めてヴェネチアビエンナーレを見にきたときに一人で泊まったホテルと同じホテル。あの時はみんなピザ食べ過ぎだとかいろいろ日記に書いていた。今日の夕方までベルリンにいた。昼頃まで寝て、ホテルをチェックアウトした。今後乗る予定の2つの飛行機とバスの搭乗券をプリントアウトする必要があったのでホテルのレセプションに行ってUSBを渡してお願いしたらPDFファイルが読み込めなくて印刷できないという事態が発生し、その後何度かファイルの拡張子を作り直してもうまくいかず、結局印刷できなかった。なのでチェックアウトのあと、地下鉄で近場のプリントサービスの店に行きそこで搭乗券を印刷した。日本のKINKOSのような店がベルリンにもあった。A4モノクロ印刷4枚で0.48€。その後ベルリン大聖堂にに行って撮影をし、そのあと奈保子の大学の後輩でライプツィヒに住んでいるタカミくんとすこしお茶(お茶というか、CurryWurstを食べた)をして、その後三人でリベスキンドのユダヤ博物館に行って1時間で駆け足で展示を見て(わざわざライプツィヒから来てくれたタカミくんには申し訳なかった、、)、シェーネフェルト空港に行った。シェーネフェルト空港はどうやらLCCしか乗り入れていない空港のようだった。まだできてから六年しか経ってないらしい。シェーネフェルトからEasyJetというLCCでヴェネチアのマルコポーロ空港に行き、そこからバスでMestre駅まで来て、歩いてこのホテルまできた。昨日の朝はカッセルにいたのが信じられない。

ドクメンタは、全部でたしか32会場あるのだけど、2日間で10箇所くらいしか回れなかった。といっても2日目は昼前まで寝ていたし撮影もしたのでよく見た方だと思う。郵便局を展示会場にしたところと、アテネの美術館のコレクションをカッセルに持って来たコレクション展と、ニューギャラリーという美術館でボイスの展示が観れたのがよかった。あと「墓場の博物館」があって、そこのドクメンタ作品というよりもともと博物館が所蔵していたコレクション展も面白い。ただ全体的にミュンスターでひとつひとつの作品に愛がこめられて、丁寧につくって丁寧に展示がされていた印象があったのでドクメンタは見るのにしんどいものがあった。でも町全体から感じられるドクメンタのオーラは素晴らしくて、到着した日は涙が出そうにもなったりもした。

明日明後日でヴェネチアビエンナーレと、先月見きれなかったIntuitionを見る。あと撮影もやる。奈保子は疲れが溜まっているみたいだ。せっかくの旅行だけど、せっかくヨーロッパに来ると考えると色々スケジュールを詰め込んでしまう。の割には事前に宿をとったりすることもしないというか余裕がなくてやっていなかったし、なんとかなると思っていた。実際なんとかなっているし楽しいけど、仕事なのか休みなのかわけがわからない。awai art centerでは今回みたミュンスターとドクメンタとヴェネチアビエンナーレの報告展示をやるらしい。なんでも仕事になってしまう・・・。

前もって予定をたてずに動いているぶん、瞬発力はあるが、今日には明日の予定や明後日の交通手段の心配をし、明日になればまたその明日の心配をする。そうやって日々を過ごしているような気がしてさみしいので、「今日にありがとう」という曲を今日二人で作った。でもメロディーはもう忘れた。しかし本当に、いつも何かの準備ばかりしているような気がする・・。何かの準備がおわったらまた何かの準備がはじまるような気がする。今を生きるのは難しい。

Posted by satoshimurakami