07020906
07020906
あっというまに飛行機は10時間のフライトを終えて成田空港に着陸し、いま僕はもう東京都内を電車で動いている。これからも都内の移動と、東京から松本への移動があるので途切れ途切れになるだろうけど、書けるときに日記を書いていく。振り返りながら。
機内食はまあまあだったけど、離陸して少し経って夕食としての機内食がでてから、着陸2時間前に朝食としての機内食が出てくるのだが、朝食のほうは全く食べる気が起こらなかった。時間としては十分空いているんだろうけど、その間に体を動かすこともなく、何かイベントが起こるわけでもなく、ただ席に座ってうつらうつらしたり映画を見たりしているだけなので、ついさっき夕食をたべたばかりなのにもう朝食が出て来ているような感じがしてしまう。こうやって部屋に閉じ込めれてひたすらごはんだけを提供される人生を想像するとおそろしい。周りの席を眺めながら、人がそれぞれのコクピットに座って人生を操縦しているのだと考えるとぐっとくる。
帰国した途端に。家賃と光熱費のお金を口座に振り込まないととか、通帳に記帳しないととか、そういうことを気にする部分が頭のどこかに出現した。そういうものを日常と呼ぶのならレジデンスや旅行をするということは、日常から距離をとって、ただ「何を作るべきか、何をすべきか、何を見るべきか」だけを気にすることができる大切な時間だ。僕の場合、結婚して松本に居を構えてからそちらが「日常」と呼ぶにふさわしいものになり、いま熊本で預かってもらっている発泡スチロールの家での生活はすこしずつ「日常」と呼べるものから遠ざかっている。