07072052
今回、釜山現代美術館は小冊子をつくってくれただけではなく、プレスリリースもしてくれたようで、朝鮮日報にも僕の釜山での"展示"の様子が報じられていた。これまでニュースで取り上げられた中でも一番嬉しい。「家を持ち歩く美術家」としての僕が朝鮮日報の日本語版にのったことが。今回は、スウェーデンでやったようにあたらしい家をその場で作ってしまうのではなくて、僕が普段日本で使っている家を船に積んで朝鮮まで運ぶことが大事だった。僕は(ハングルの読み方を覚えようとはしてるけど)こちら韓国で、店の店員や街を行く人はもちろん、土地を貸してくれている人たちの話す言葉を全く理解できないけど、もう三年も使っている馴染みの家に住んでいるという不思議な状況だ。これはいったいどう考えればいいのか。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2018/07/02/0200000000AJP20180702000800882.HTML?input=rss
今日、閉館間際に歴史博物館を少し覗いてみたけどかなり見ごたえがありそうだ。嬉しいことに日本語の解説もしっかりある。釜山が日本の占領政策(経済占領という言葉がよく使われていた)にどう翻弄されて来たかが詳しく解説されている。明日しっかり見てみようと思う。前回のペクサン記念館や、「40階段」(日本の占領時代に象徴的な場所だった階段が、遺構として街中にしっかり保存されていて、名所になっている)のような場所や、この近代歴史館(もちろん全て入場無料)のような施設が街中あちこちに点在している。韓国はこういった歴史教育をかなりしっかりやっている印象。
そしていま、日本人の僕がディアスポラみたいな状態で釜山の近代歴史博物館の前庭に転がり込み、家と共に寝泊まりしているという、とてもおかしな状況になっている。日本人の僕が釜山で発泡スチロールの家を持ち、敷地を求めて歩き回るという状況はとても自虐的な政治ジョークのようにも見える。この国に家とともにいると、自分がかつて韓国を占領していた国の人であることを嫌でも意識してしまう。もっと学ばなければと思わされる。