07241942

薬師の湯の露天風呂。20羽ちかくもの燕の若鳥が、頭のすぐ上からはるか上空までの範囲をびゅんびゅんと飛んでいる。飛行の練習をしているように見える。360度三次元の舞台で上演されている、ダンス公演を鑑賞しているような気分。視界の上から高速で黒い影が飛び込んできて、急旋回して視界の右に消えていく。そんな動きを何羽もの燕たちが同時にやっている。もちろん、鳴き声もセットで。ぜんぜん見飽きない。いつまでも見ていられる。燕たちは建物の軒下にいくつもの巣を作っていて、そこから飛び立っては巣に戻り、またすぐに飛び立つ。空には筆でひいたような雲と青空と、もくもくの入道雲。ところによっては夕焼けで真っ赤になっている。すべてが美しかった。頭を洗ってもう一度露天風呂に戻ると、燕はいなくなっていた。さっきまで空を覆い尽くさんばかりの黒い影たちは、すべてどこかへ行ってしまっていた。巣も不在だった。みんなして、どこにでかけたんだろう。燕はこんなにも統率のとれた集団行動をするのかと驚いた。

Posted by satoshimurakami