2013年10月14日9時10分

2013年10月14日9時10分

 

また日記を書くのを忘れて眠ってしまった。エンデの「はてしない物語」を読んでいたらいつのまにか寝ていた。

今日いよいよ帰国だ。これからお昼の飛行機に乗って、日本に着く頃には15日の夕方になっているらしい。

昨日の夜、メストレの北側からホテルに帰る途中、お兄さんに「Can you speak English?」と聞かれて、「a little」と答えたら、道を聞かれた。「メストレセントレ」みたいな名前の場所へはどう行くんだ?と。僕が何日か前にたまたま通りかかった場所だ。僕は「I know.But I dont know way to go..sorry」みたいに答えた。

彼は「thank you」と言って、それで会話は終わったのだけど。終わってから驚いたのは、一度日本語で文章を組み立てること無く、いきなり英語が口をついてでてきたことに気がついた。帰りながら、もっと(たとえばI had been there.place like a market.But I don’t know the way to go.sorry.I only say.that place is there.not hereみたいに)ちゃんとした文で伝えられたらな、と思ったけど、でも突然英語が出てきたのにうれしくなっていた。そうだ。たぶん住めば話せるようになるのだ。

 

昨日は、ユーロスターイタリアにのって、ヴェローナに行った。片道一時間くらい。チケットは23ユーロ。

ヴェローナで、スカルパが50年くらい前にリノベーションした「カステルヴェッキオ美術館」を観てきた。

古いお城(700年くらい前に建設されたものらしい)を、美術館に改修したもので。これが素晴らしかった。

すこし建物に気をつけながら歩いていると(どこまでが既存の部分で、どこからがスカルパが手を加えたところなのか)じわじわとこみ上げるような感動がわいてくる。古い石の壁や床や天井に、鉄の躯体や扉や梁が、やさしく寄り添うようにくみ合わさっていて、スカルパがながい期間をかけて誠実に設計に取り組んだ様子が目に浮かんできた。とくに、屋根が途中で終わっていて、まだ工事中なのかと思わせるような部分があったんだけど、そこの止め方のセンスが鳥肌もので、まるで、まだこの建物が完成していなくて、さらにまた次世代の人たちがこの建物を引き受けて改修を進めるのを待っているかのようなたたずまいをしていた。

展示物の量も多くて、14世紀~18世紀くらいのイタリアの彫刻や絵画を展示していたのだけど(フランドル派とか)、こんなにたくさんのものが、お城と一緒にちゃんと残っていることが新鮮で、後にみたAnfiteatro Arenaのレンガの壁が薄っぺらくて今にも崩れそうな感じで何百年も残っている様子も印象的で「地面が揺れないから、千年前に積んだ石が今も崩れずに残っている土地」なのだと思う。

そのあと町をふらふらして、中華料理屋でたくさんのビールと一緒にご飯を食べたのだけど、このビールが余計だったのだ。。店を出てすぐに、トイレにいきたくてたまらなくなり、駅まで急いでいったのだけど。。

帰りは、各駅停車(レジョナーレ)でメストレまで帰ってきた。こっちのH&Mで下着を買って、帰りがけにまたバーピッコロで、パスタとカプレーゼを食べた。ビールも飲んだ。この感じのいいおじさんのお店で食べられるのもたぶんこれで最後だ。とてもいいお店だった。チャンスがあればまた訪ねてみたい。

 

殺すな。と強く思った。

みんな生への意志として運動しているだけなのだ。

だから殺すな。誰も殺すな。

Posted by satoshimurakami